「大和屋で宮古島工房うむくとぅ展」開催までの物語 vol.2

皆さま、こんにちは。「宮古島工房うむくとぅ」主宰の東郷澄恵と申します。

令和4年3月26日から3日間、東京神田神保町の老舗「大和屋履物店」さんにて、初の展示会を行う運びとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。

「大和屋で宮古島工房うむくとぅ展」が開催されるまでのものがたり。“うむくとぅ”っていったい何?そんな皆さまの疑問にもお答えしたく、少々長くなりますがお付き合いいただけますと幸いです。

▼vol.1はこちらです。

第三章 宮古の織物は宝もの

さて、ここで宮古の織物の魅力について、改めてお伝えします。

その緻密さについては先にも少し触れていますが、中でも「十字絣(かすり)」という柄は日本で最も繊細な織物であると想います。数センチ織ったのちに針で柄を合わせていき、また数センチ織り進む、気が遠くなる作業です。400年以上の歴史を持つ宮古上布ですが、江戸時代の献上品であった頃の手仕事が今もそのまま島に生きています。

織る仕事のみならず細い糸を作るまでの工程、絣と藍染の美しさ、仕上げの砧打ちの力強さ。機械織を導入せずに続けられ、現代においては有り得ない、全ての工程が総て手仕事から生まれる美しい布です。一反織上げるのにかかる時間はなんと1年程。途轍もない作業の連続です。

それが400年以上守られてきたのですから・・・人の手から生まれる美しい物作り、宝もの以外何と呼んだら良いのか言葉が見つかりません。また、十字絣以外にも様々な織が在ることをあまり知られていません。何と勿体無いことでしょうか。秘蔵の宝ものがまだまだ眠っている島なのです。

第四章 小倉充子さんとの再会

時は流れて令和3年のお正月のことです。

作家の小倉充子さんと久々の再会となりました。大和屋さんのお嬢さんである型染作家の小倉さんは大学時代の旧友です。何しろお酒好きの二人です。一緒に盃を酌み交わし・・・肴はもちろん「和の文化を伝えていくにはどうしたら良いか」。熱く終わりの無い語り合いです。小倉さんも、大和屋さんの5代目であり義理の甥にあたる船曳竜平さんと共に、和の文化を伝えていく想いを以ってお店をリニューアルするというタイミングでしたので、話は一気に盛り上がりました。

織り手の皆さんを元気にしたい・・・

その為には宮古の織物の美しさを多くの方に知っていただきたい・・・

それに向けて大和屋さんと何かご一緒に出来たら良いなぁ・・・

その夜が大きなターニングポイントとなりました。想いが形になるために背中を押してくれた旧友おぐちゃんに深く深く感謝しています。

大和屋さんと何かご一緒に・・・最初は私の織った宮古上布を花緒にして下駄を作っていただくことで、コラボレーションのスタートとなりました。花緒をお願いしに宮古上布を持って再度お店に伺ったとき、5代目船曳竜平さんと初めて(ようやく!)お会いすることになったのですが、まるで以前からのお知り合いのようにいろいろなお話がとんでもなく盛り上がり、現在に至った次第です(笑)。

つづく

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コメント1件

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